一歩一歩着実に足元の事業を育ててきた社長に向けて書きます。これを伸び行く世界市場に広めたい、と考えるとき、どこからどのように進めてゆくのが正解か、という普遍的な問いに行き着きます。
煎じ詰めれば、グローバル化とは組織学習そのものです。市場の多様性、マネジメントの多様性に対応する組織力をつける観点から、最初の一歩・次の一歩を現実的に選んでゆくことになります。あるいは既に数歩すすんでいるなら、「次の学習課題は何だろうか」と考えながら、さらに次の一歩を選ぶことになるでしょう。当面は刈取最大化より学習最大化を狙うのが王道です。学習が進み力がつけば、チャレンジングな巨大市場で刈取最大化も考えられるようになります。
多くの企業で、次に進出検討したい有望国のショートリストは、わりあい自然に作成できるように感じています。残る課題は、候補各国をなるべく同じ解像度で市場評価し、なるべく客観的なメリット・デメリットを列挙し、検討できるように整えることでしょう。
均質なフィジビリティスタディを実現するにはガイドラインの設定が有効で、以下当社版を参考に供します:
- この国の基礎需要の規模
- この国の基礎需要のレベル
- この国のプレーヤー
- この国でのわが社の勝ち筋
- この国への進出パターン
- 現時点で見積もれる投資回収の規模感
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1.この国の基礎需要の規模
当社事業領域に照らして、現時点での市場規模を調査推定し、30年後の市場規模を試算します。
2.この国の基礎需要のレベル
同市場について、現時点での単価を調査し、これが3年後/10年後/30年後にどう成長するか考えます。高い付加価値を求める層、中間層、低位層の構成比が、中長期でどのように変化するか試算します。
3.この国のプレーヤー
同市場に現在参入している代表的な事業者を探索し、直近の規模と成長状況を調査します。どのような強みを発揮していて、今後どのような成長を企図している可能性があるか考察します。
4.この国でのわが社の勝ち筋
長期的にわが社がこの市場で発揮できる付加価値ポイントを列挙し、30年後の最大ポテンシャルを試算します。これが実現するための前提条件を帰納法により逆算し、いつまでに何が達成されるべきか検討します。
5.この国への進出パターン
事業特性と市場特性とを照らして、適した進出パターンを選びます(輸出/代理店型、工場/販社型、JV、買収など)。それぞれのパターンで必須のピースとなりうるパートナー候補を列挙し、一次評価を行います。
6.実地検証
ここまで(1~6)は、机上調査ベースでつくりあげる仮説なので、この仮説がどれくらい確からしいかを、実地調査・実地面談をオーガナイズして、徹底検証を行います。
7.現時点で見積もれる投資回収の規模感
以上の仮説検証を踏まえ、ブラッシュアップされた各国のフィジビリティ調査結果をとりまとめ、候補国で比較可能なように情報を整えます。この段階で見積ことができるもっとも現実的な投資プランと回収プランとを試算し、積み残している調査事項や特記事項なども必ず添えます。

