連載|貴社の購買は、いまどのステージにいますか?③

~「海外事業」からグローバル事業体に脱皮するとき~ BLOG

(つづき)製造業のお客さまの「最初のグローバル購買」が、長い時間をかけ「完成系としてのグローバル購買」に至るには、一般的には3度の脱皮を経ます。今回は第二の脱皮、全社視野(工場従属からの独立)についてお話しします。

生産拠点が1か所のとき、一工場に一購買部を置けばよく、購買はその工場の最適化のために働けばよく、よって購買は工場の下部組織であればよい。こうした伝統の下で長く本社工場メインで操業してきたメーカーが、最初の海外工場を作るとき、つい、その海外工場の下部組織として海外工場購買組織を置き、『経営とは独立採算である、各自努力せよ、本社工場が手本である』ときめこんでしまう経営者に、ときおり出会います。たしかに、海外工場がせいぜいひとつふたつの間は、問題はそれほど深刻に拡大しないので、即NGということはありません。

しかしながらこのメーカが本当にグローバル企業に育ってゆくためには、こうした工場従属から購買を独立させ、全社視野での最適購買を実現できる本社組織に再編(あるいは十分に呼応できるよう調整)してゆくことが必要になります。そのメリットは、グループ全体での生産量(スケール)を活かした購買メリットを出すこと、そして、先の記事(②)で触れたグループ全体での地域分散により、グローバルリスクからのサプライチェーン(購買維持、生産維持、配送維持)の靭性を担保すること、に繋がるからです。

世界最適生産、世界最適購買、世界最適物流。これを実現するには『各工場は一国一城の主として独立経営せよ』という古式ゆかしき"経営指南"の言葉は捨てることが肝心です。むしろ、本社には、グローバル生産本部を置きその配下に世界の工場長を置く。グローバル購買本部を置きその配下に各工場の購買責任者を置く。グローバル物流本部を置きその配下に各国の物流責任者を配する。そして各グローバル本部長に対して『三本部協調により世界最適を実現せよ』と指令すべきなのです。

購買部隊についていえば、世界各地で購入可能な、原料・副資材・関連仕入品の情報アンテナを拡げる、大切な役割も担います。本社が決めてくれたベストプライスの仕入れ品リストを片手に、現地のサプライヤーさんから幅広い提案を聴くことで、こんどは逆に「全社で採用できるかもしれない」ものを発見するかもしれません。この活動が、第三の脱皮につながってゆきます(つづく)