連載|貴社の購買は、いまどのステージにいますか?④ Final

~「海外事業」からグローバル事業体に脱皮するとき~ BLOG

(つづき)購買のグローバル脱皮、長くなってきましたが、これで最終回です。今回は先取機能について。リアクティブからプロアクティブへ。購買起点の新戦略もありうる、というお話をしたいと思います。

先の回(③)で、購買組織を特定の工場従属から解き放ち、全社購買組織のもとに再配置する段階をお話ししました。これで購買機能はだいぶグローバル事業体に近づいてきたのですが、まだ最終段階ではありません。それは、いまだに、開発の指定した部品を、生産の要求する工場に、調達する活動にとどまっているからです。

じつのところ、世界の主要生産基地にロケーションを配しはじめたグローバル購買組織は、優れた情報収集のアームになりえるポテンシャルを持っているのです。第一に、競合の本当の動きを、ものづくり・調達の切り口で調査することができるのは現地の購買なのです。彼らの競争力はどこにあるか。弱点はどこにあるか。こうした非常に貴重な、大戦略に必須の情報は、ほとんどの場合、現地密着した組織だけで察することができます。

第二に、国内や多国では見られなかったような、「こんなものがあるんだ」という関連品に出会ったり、「こんなものがお客さま喜ばれているんだ」という新しい顧客価値に気づくのは、実のところ現地の購買責任者だったりすることが、とても多いです。これは、手持ちの製品の販売にあまりに集中している現地の営業部隊だと、つい見落としがちで、お客様とちょっと距離をもって、顧客価値創造について遠目で考えられる、購買部隊ならではの利点かもしれません。

もし購買部隊が、「生産に言われたことだけやるのが使命でしょ」というリアクティブな態度から、「世界での新しいビジネスチャンスを提起するのも仕事」というプロアクティブな態度に、脱皮することができたら、こうした事業そのもののイノベーションに重要な役割を担うようになるのです。

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ここまで、「海外事業」からグローバル事業体に脱皮するとき、と題して購買組織の脱皮をお話ししました。①コンティンジェンシーに強くなる、②全社最適購買に向かう、③購買起点でのビジネス提案、これらが完璧に日々実践されているとしたら、貴社の購買はグローバル事業体として完全体に到達しているといえると思います。