海外事業を伸ばすべく、お客様の現地組織の支援にはいるとき、私たちは三つのポイントを重点的に診察します:①この国の戦略ステージ、②2タイプいる人材の構成比と役割分担、③士気や一致団結度。ひとつずつ簡単のご説明します。
①該当国の戦略ステージは4段階に区分けします。そのお客様が世界中で最も浸透に成功している市場(=多くの場合に日本国内)を、最も進んで戦略ステージ(=4ないし3)と位置づけ、比較感から判定します:
1:開拓定住の時代
2:成功事例を開発する時代
3:成功事例を量産する時代
4:持続体制を確立する時代
このステージ判定は、その国の組織作りにおいて、最も重要な羅針盤となります。どんな人材を拠点長とすべきか、どの責任ミッションにどの駐在員を充てるか、どんなKPIを設定し管理サイクルをどのように設定するか、組織づくりの全ては、ステージ次第です。
②については、まず海外事業では活躍する人材タイプを2種類にわけ、《別々に》マネジメントする発想が死活的に重要です。この2タイプを私たちは、(A) 山賊人材、(B) 正規軍人材、と名付けていて、技能やマインドセットがほぼ正反対で、適材適所を実現するうえで、最も重要な指標となります。カンタンに言えば、山賊人材は「未知」の環境で成功事例を「発明」する才能、正規軍人材は「既知」の環境で成功事例を「量産」する才能です(=詳細はまた別の投稿で書きますね。)お察しのとおり、上で判定した戦略ステージごとに、(A)(B)いずれの人材を主力とし遊軍とするか、最適解が異なります。山賊人材は1~2で主力、3から遊軍。正規軍自在は2の末期に配属開始で、3~4で主力に育てます。
③については、純粋に文化人類学の参加観察法を応用し、現状の士気を確認してゆきます。本部報告のときの顔の輝き、現地駐在員とのオンオフでのやりとり、NSさんとの単独同行、などの中で公私を横断した人間関係/健全な信頼関係/健全なライバリーが生まれているか、各員にとって有意義で幸福な職場になっているかを見てゆきます。①の判定と②の配属が適切なら、通常は③はさほど荒れないはずですが、なにかオカシイ違和感がある場合は、隠蔽されている何かがあるか、管理評価報酬のどこかに課題があることが多いです。
海外業績が低迷していたり期待ほど伸びないケースの大半で、こうした組織(設計/配属/管理)の課題が観られます。とりわけ、②で述べた人材タイプの峻別認識がなく、二種類の人材が相互リスペクトではなくマウント合戦に陥っている場面に出会うことが多かったです。
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こうした異なった戦略ステージにある各国を束ねる、本部組織がどうあるべきか、という点もたいへん興味深い切り口がいくつかあるのですが、これもまたいずれ書いてゆきたいと思います。

